徒然と、三。

結局寝坊して行かなかった訳だが。


スタンフォードの購買の本屋は一階、二階、地下一階、の三階建ての作りになっているのだが、見栄えの悪い中古の教科書や文房具・生活用品が地下に押し込まれ、一階に子供受けの良さそうなファンシーグッズや新聞・週刊誌、小説・専門書、お土産品が、二階には高めのスタンフォードグッズ、PC用品、趣味の本が置かれている。

僕が通っているカフェはこの本屋の二階、入り口から見て左側にある。
中央を吹き抜けにした二階の左手に店があり、その吹き抜けでカフェの席から一階の全景が見えるようになっていて、とても見晴らしがいい。
天井の窓から差し込んだ光がやさしいのと、二階の他の売り場ががさごそと買うような物が少なくて、全体的に落ち着いた雰囲気を出してるのとですぐにお気に入りの場所になった。
と、いってもそこに入り浸る一番の理由になったのは学内の他のどの場所よりも空調が塩梅がいいのと、ヘルニアの腰にここのイスが一番負担が少なかったからだが。

授業が始まってから二日後ぐらいでここを発見し、それから二週間近く毎日通ってたりしたので、すぐに店の人に顔を覚えてもらった。

真っ先に顔を覚えてくださったのが、前日の日記のマリアさん
Manzanitaでどう考えても一食$9の価値のない朝食の代わりにここのベーグルを食べに朝早くいくようにしていたら、勤務時間が平日の朝かららしく、毎日オーダーを取ってもらっているうちに、”ベーグルに一つだけバターを付けて”というのが”いつもの”になってしまった。

図書館(一階だけ24時間)で朝まで過ごして睡眠不足の時も、「一番濃い奴をスピン(スタバのフラペチーノ)でやってもらえますか?」と頼んだらメニューにないのにササッと作ってくれたり。

何より本当に嬉しそうに接客をする人なのだ。行けば「また来たね〜!今日は何?」という感じで元気よく声をかけてくれるし、いつも頼んでるただのアイスコーヒーを奮発してスピンにすると、ホイップクリームが好きなのを知っているので、他の店員が「おいおい」というぐらい山盛りで乗っけてくれる。
それに合わせて対応している他の店員さんたちも、心なしか他のシフトの人たちより親切に見える。


その辺の気だての良さが好きで、ついコーヒーを飲む時に「ここで飲むくらいなら本屋のカフェで」と他所のカフェで飲むのをためらったり、シフト交代でマリアさんのいない午後三時以降は「今行ってもマリアさんいないしなぁ」とせっかく本屋に行っても踵を返してしまう事が多々ある。まるで暖簾だ。


マリアさんは背が160くらいで結構肩幅が広く、ガッシリした感じで、一般的な「看板娘」のイメージとはちょっと違うマリアさんが絵に描いた看板娘よりずっと店の看板していて面白い。やっぱ人間器量ですよ。










ちなみにおすすめはオニオンベーグル。